沖縄 海
 2022年01月20日

日本は世界でも有数の長寿大国で、特に沖縄が有名です。年々長くなる平均寿命ですが、ただ長く生きるのではなく、健康で活き活きと楽しく暮らしながら年齢を重ねていきたいと思うのは多くの人が願うことではないでしょうか。世界には寿命の長い人が多く住む「長寿の地域」が存在しています。今回は長寿の地域とされている「ブルーゾーン」についてご紹介します。

長寿の地域「ブルーゾーン」

ブルーゾーンとは?

ブルーゾーンとは、2000年頃にイタリアの疫学者の研究を元にベルギーの学者が、イタリアのサルデーニャ島の長寿が多い地域に青いインクでマルをつけたことから名付けられた言葉です。

その5年後、ナショナルジオグラフィック社の記者の取材により、100歳以上の人が多く住む4つの地域が雑誌上で追加され5つの地域となり、のちに出版されてベストセラーになった影響でブルーゾーンのブームが起きました。

ブルーゾーン5地域

サルデーニャ島 (イタリア)

イタリアの南部、地中海に浮かぶサルデーニャ島は、「ブルーゾーン」という地域が定義されるきっかけとなった地域です。地中海特有の温暖な気候で、人々のラテン系の陽気で明るい気質が特徴的なことに加えて、海や山の恵みが豊富で食文化が多岐に渡ります。

イカリア島(ギリシャ)

ギリシャの首都アテネから少し離れたエーゲ海に位置するイカリア島は、オリーブやハチミツ、ワインなどの地物の食材が豊富な島です。人口は1万人にも満たない島ですが、風光明媚なエーゲ海と島の大自然、ゆったりとしたスローライフが特徴です。

ロマリンダ(アメリカ)

アメリカの平均寿命より10歳長く生きることで知られているロマリンダはアメリカの西海岸カリフォルニア州にあります。アドベンティスト派の教会がある地域に長寿の人が多く住むとされており、タバコを吸わない人、アルコールを摂らない人が多く住んでいるという報告があります。

ニコヤ半島(コスタリカ)

南米コスタリカにあるニコヤ半島は、南国を感じさせるビーチが数多くあるのんびりとした地域です。100歳以上の男性の人口密度が高く、90歳以上の人が1000人以上住んでいることで知られています。

沖縄 (日本)

ブルーゾーン5つの地域のひとつに日本からも沖縄が選ばれています。沖縄は温暖な気候で、太平洋の美しい海やサンゴに恵まれた地域であることはご存知の方も多いと思います。長寿大国のひとつである日本の中でも、特に長寿の人が多い地域としても有名です。

ブルーゾーンに共通する9つのライフスタイル「パワー9」

長寿の人が多く住む地域のブルーゾーンには、多くの地域で共通する9つの生活様式が存在しています。そのライフスタイルと今の日本の生活でも取り入れることができる方法をご紹介します。

毎日の生活の中でよく動く

ブルーゾーンに選ばれた地域は、海や山の自然が豊かな場所となっています。そのため、便利な都会で生活するよりも体を動かす時間が必然的に多くなっています。

決められたスポーツを続けることも大切ですが、日々の生活を送る中で、歩いたり階段を登ったりするなど意識的に体を動かすことが重要です。

いきがいを持つ

毎日を楽しく生きるためには「いきがい」も必要です。病は気からという言葉がありますが、気持ちの持ち方によって健康で長生きできるかを左右してしまうと考えられます。

ブルーゾーンに選ばれた地域は、地中海や南米、沖縄など温暖な地域が多く、明るく陽気な気持ちで過ごせる地域と言えます。気候や生活する環境をすぐに変えることはできませんが、趣味や打ち込めることを見つけて生活することを心がけ、人生を豊かで実り多いものにすることが大切です。

ストレスの少ない生活をする

都市部での生活はストレスが多いと考えられますが、ブルーゾーンに選ばれている地域は自然豊かな島が多く選ばれており、スローライフと呼ばれるような、のんびりでゆったりとした生活が送られています。波の音を聴きながらビーチで寛ぐことが身近な生活ではストレスはたまりにくく、健康で長生きするために非常に良い環境です。

腹八分目で抑える

健康で長生きするためには、食生活の内容も重要です。今の便利な生活は、ファーストフードやコンビニなどで手軽に食事を摂ることができますが、食べすぎてしまう傾向が強くカロリーオーバーになってしまいがちです。

美味しいものをたくさん食べることも楽しみのひとつという方も多いかもしれませんが、食べすぎないように心がけて、早めの時間に食事を終わらせて腹八分目で抑えてみると良いでしょう。

菜食中心の食生活をする

現在の都市部での食生活は乱れやすく、炭水化物や糖分、脂肪分、塩分の摂取が多くなってしまいがちです。例えば、ブルーゾーンのひとつの地域であるロマリンダで、100歳以上の人たちの食生活を調査すると、野菜と果物が3割ずつで大半を占め、糖分や塩分、穀物類の摂取が少ないという報告があります。

ワインや適量のお酒を飲む

一見すると体に良くない印象のあるお酒ですが、イタリアのサルデーニャ島や、ギリシャのイカリア島ではワインを嗜む文化が根付いています。もちろん、アルコールの飲み過ぎは良くないですが、適度にお酒を楽しみながら飲むことや、リラックスすることは健康長寿には必要であるとされています。

ワイン

信仰を持つ

ブルーゾーンのひとつである、アメリカ・カリフォルニアのロマリンダでは、キリスト教の宗派のアドベンティスト派の信仰を持つ人が多く住む地域となっています。タバコやアルコール摂取量が少なく、宗教上の理由で菜食主義者が多いことも報告されており、この地域では信仰も長寿に関係していると考えることができます。

無宗教の方が多い日本においては、仕事や家族以外で多くの人に関わることができる、趣味やボランティアなどのコミュニティーに参加することでも代用できるかもしれません。

家族を大切にする

ブルーゾーンに選ばれているような、ゆったりとした島暮らしのなかでは家族との繋がりが密接で、お互いに助け合って生きています。そのため、少しの体調の変化にもすぐに気づくことができたり、日本で問題になっているような孤独死が起きにくくなっています。家族や、家族のように親しい身近な人たちを大切にすることが自分自身の健康や長寿にも関連しています。

コミュニティーとの繋がりを持つ

「信仰を持つ」や「いきがいを持つ」とも重なる点がありますが、仕事以外で取り組めることを継続することで、家族や仕事以外のコミュニティーを持つことができ、健康で活き活きとした生活を送り、長生きすることに繋がります。

ブルーゾーンの考えを日常生活にも取り入れる

世界には多くの長寿の地域が存在していますが、日本においては沖縄が選ばれています。

ブルーゾーンに選ばれた地域を見ると、美しく豊かな海と自然の多く残る島の生活はストレスが少なく長寿に繋がることを気づかせてくれますね。

すぐに環境を変えることは難しくても、生活リズムや食生活を見直すなどのちょっとした心がけをすることで、ブルーゾーンに住む人々のように健康で長く生きることができるかもしれません。ぜひ、参考にして毎日の暮らしに取り入れてみてくださいね。

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