野菜の王様とも呼ばれる「ケール」の名前は聞いたことがあるけれど、野菜として食べたことはない方が多いのではないでしょうか?野菜ジュースや青汁の原料などに良く使われていますが、あまり日本人の食生活にはまだ浸透していない食材です。
でも、実はこのケールには非常に豊富な栄養が含まれ、海外セレブや美容意識の高いモデルさんがこぞってサラダやスムージーに入れて取り入れているスーパーフードの一つです。そこで今回は世界が注目する野菜の王様「ケール」の栄養素と美容効果、美味しい食べ方と注意点についてご紹介します。
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ケールに含まれる栄養素
ケールは非常に栄養バランスに優れていて、豊富な栄養を含んでいるため「野菜の王様」と呼ばれています。どんな栄養が詰まっているのか、まずは詳しく掘り下げてご紹介します。
ケールとは
ケールはキャベツやブロッコリーの原種であり、アブラナ科の野菜です。とくに青汁の原料としてケールをご存知の方も多いのではないでしょうか?ケールは非常に緑色の濃い葉野菜であり、カーリーケール 、カーボロネロなどの品種があります。
原産地は地中海沿岸で、温暖な気候を好みます。最近では日本でも各地で栽培されていてスーパーでも見かけるようになってきました。
ケールに含まれる栄養素
ケールには次のような栄養がバランスよく豊富に含まれています。
- βカロテン
- 葉酸
- ビタミンC
- 食物繊維
- カリウム
- カルシウム
- 鉄
- 必須アミノ酸
- タンパク質
- ルテイン
- 葉緑素(クロロフィル)
βカロテン、ルテイン、クロロフィルは色素成分でもあり、それがケールの色の濃さの理由でもあります。βカロテンはキャベツの約60倍、葉酸は約2倍、カルシウムは約5倍も含まれていると言います。
その他の栄養成分も葉野菜類と比べて非常に多く含まれていて、とくに食物繊維は100g中3.7gも含まれます。人体では合成できない必須アミノ酸やタンパク質の摂取源としても優秀です。
食べてきれいに!ケールの美容効果
ケールは美容を気づかう女性に非常に人気が高い食材です。それはケールにはさまざまな美容に良い効果が期待できるためです。
- 腸内環境を整える
- むくみケア
- エイジングケア
- その他 (骨や目の健康維持、アレルギー対策などに)
ケールは食物繊維が非常に多く、とくに不溶性食物繊維が豊富です。不溶性食物繊維は便のかさを増やして大腸を刺激することによる便通改善の効果、腸内細菌のエサとなって腸内環境を育てる効果などがあります。そのため内側から余計な老廃物などを排出を助けてくれます。
さらにカリウムなどのミネラルが多いため、むくみケアにもぴったりです。ビタミンCやβカロテン、ルテイン、葉緑素など抗酸化作用のある成分も含まれているので、紫外線によるダメージやサビ付きを防ぐ効果もあります。
ルテインは目の健康維持にも良いと言われており、最近では花粉症などのアレルギー性疾患に対して効果を発揮する成分も見つかっています。
ケールを美味しく食べる方法は?
ケールは栄養豊富で健康にも美容にもいい、ということは分かっているけれど、苦味が強いので食べにくい、美味しくないというイメージが強い方もいらっしゃることでしょう。でも、苦味の強いケールでも、アレンジや調理次第で美味しくいただくことができます。
スムージーに入れる
スムージーをおうちで作る方とき、緑の葉野菜は欠かせない素材の一つです。ほうれん草や小松菜も良いですが、ケールを代わりに入れてみませんか?ただ、さっぱりとした味のスムージーだとケールの苦味が際立ってしまうので、甘みをプラスするのがコツです。おすすめはバナナです。バナナのまろやかさがケールの苦味をマイルドに整えてくれますよ。
ケールチップスにする
ケールはそのままだと苦味が強いですが、火にかけると苦味が減ります。とくに、ケールをそのまま素揚げにしたケール チップスはおつまみや軽食にもぴったりですよ。
電子レンジで手軽に作るレシピもありますが、栄養の吸収を考えると油で揚げるのがおすすめ。βカロテンは油と一緒に摂取した方が効率よく吸収することができます。
水気を切ったケールを170℃に熱したオリーブオイルでさっと揚げて、最後に岩塩などをふりかければ完成です。ぜひお試しください。
塩もみをした後に、サラダとして和える
サラダでシャキシャキとした食感を楽しみながら食べるのも美味しいですが、どうしてもそのままだと苦味が強く感じられるという方は塩もみがおすすめです。
ケールを塩もみすることで苦味の成分を抑えることができます。塩もみをしてからサラダに乗せたり、和えたりして召し上がっってみてください。
ケールの摂取に注意が必要な人は?
ケールを健康や美容のために取り入れる際には、いくつか注意点があります。とくに次に当てはまる場合には、ケールの栄養が体に負担になる可能性もあるので注意が必要です。
尿路結石症がある方
尿路結石で治療中の方は、ほうれん草などに含まれるシュウ酸の摂取を控えた方が良い場合があります。ケールにもシュウ酸が含まれているため、生のままでのケールの大量摂取などは控えた方が良いでしょう。ゆでる、ゆでこぼすなどするとシュウ酸は減らすことができますが、ご心配であればお医者様に一度ご相談ください。
抗血栓薬を服用中の方
ワーファリンという血栓をできにくくする薬を飲んでいる場合は、ケールにも含まれるビタミンKの摂取に注意が必要です。
例えばケールを使った青汁を摂取すると、ワーファリンの効果が出なくなってしまう可能性があります。ケールを大量に食べたりしない限りは食事からの影響は少ないと考えられますが、お薬を服用中の方はあらかじめ医師や薬剤師に相談しておいた方が安心です。
もっと食生活にケールを取り入れてみよう
ケールの栄養と食べ方、注意点についてご紹介しましたが、いかがでしたか?ケールは今まで青汁やジュースの材料と思っていた方も、ケールを食べてみたいと思っていただけたなら嬉しいです。
ケールには非常に豊富な栄養が含まれていて、現代人の忙しい毎日の栄養補給を支える強い味方です。ぜひ、スーパーで見かけたらケールを手にとってみてください。健康と美容のためケールを美味しく楽しみながら取り入れていきましょう。
薬剤師
大学院卒業後、国内外の製薬会社や調剤薬局にて薬の企画開発・マーケティングからDI業務(医薬品情報業務)など、幅広く薬に関わりながら、サプリメント・ハーブやオーガニックコスメの販売業務を行う。
現在は、今までの経験を生かし、薬剤師として勤務する傍ら、正しい薬の使い方をはじめ、生活習慣や食習慣の改善を提案をする薬剤師ライターとしても活動中。