2021年06月17日   2022年12月07日

ジメジメとした蒸し暑さが続く不快な梅雨時、なんとなく身体が重い、むくみやすい、胃腸の調子が悪い、ということはありませんか?今回は前回に引き続き、梅雨に感じやすいだるさの対策方法を、食生活と東洋医学を交えてご紹介します。

梅雨に起きやすい身体の不調

  • 頭痛
  • 体のだるさ
  • 手足のむくみ
  • 胃腸や内臓の不調
  • 気分が沈みがちになりやすい

雨が続き、蒸し暑くて不快指数が上がり、寝苦しくなりはじめる梅雨時は心身ともに様々な不調があらわれやすくなります。

だるさやむくみなど、ご紹介した梅雨に感じやすい不調はほんの一部ですが、これらの他にも気圧の変化によって普段痛みがある部分が辛くなったり、昔に怪我をした部分に痛みが生じるなど、人によって症状が違うこともあり、その内容は非常に多岐にわたっています。

梅雨時の食生活で気をつけるべきポイントは「脾胃(ひい)」

東洋医学では長く雨が続くことによる身体への影響は大きいと考えられています。

雨や湿度の上昇によって生じる「湿邪(しつじゃ)」は、五臓六腑のなかの「脾(ひ)」と「胃」に対して特にダメージを与えやすいと考えられており、体の中から起きる不調を感じやすくなります。一方、脾胃は消化や食べ物に関わりが深いため、毎日の食べ方に少し気をつけることで対策することが可能です。

梅雨時には湿邪の影響を受けやすくなってしまいますが、この時期に気をつけたい、脾胃に負担をかけないための注意点をご紹介いたします。

①冷たいものを飲み過ぎない

ジメジメと蒸し暑く、寝苦しいとついつい欲しくなる冷たい飲み物ですが、飲み過ぎると胃腸が冷えて働きが悪くなってしまいます。

胃腸の働きが鈍ると、「運化作用(うんかさよう)」も落ちてしまいます。運化作用とは、口から入ってきた食べ物が正しく消化吸収され私たちの体に必要な栄養が体中に巡ることです。

脾胃の働きを保つためには体の中から冷やさないようにすることが大切です。飲み物に氷を入れ過ぎない、常温で飲むなど工夫が必要です。また、生姜など身近なスパイスを活用して、胃腸を温めるようにしてください。暑さを感じる時期でもありますが、今後さらに気温が上昇してしまうので、できれば今のうちに温かい飲み物を飲んで胃を元気にしておくことがおすすめです。

もちろん、暑い時には熱中症に十分気をつけて、体調を考慮しながら適宜飲むようにしてください。

②甘いものを食べ過ぎない

脾胃にとっては甘いものの摂りすぎも注意が必要です。疲れると甘いものが食べたくなることが多いと思いますが、これはエネルギー不足により、肝臓に貯蔵していたグリコーゲンが使われて糖の血中濃度が下がってしまうため。自然に体が欲するものであることから、適量を食べるのは問題ありません。

しかし、疲れをとるために食べるはずの甘いものを過剰に食べてしまうと、脾の働きが滞りやすくなってかえって逆効果ということになってしまいます。

また、砂糖の原料として主流のサトウキビは沖縄県など暑い地方の食材のため体を冷やす作用が強いと考えられます。

脾胃のためには、北海道など寒い地方で収穫される砂糖大根が原料の砂糖を選ぶとより良いでしょう。砂糖の他、バナナやマンゴーなど常夏の地域で食べられている果物も糖分が高く冷やしてしまうので食べすぎないようにしてください。

③生ものを食べ過ぎない

果物や野菜、魚など、火を通さず生で食べられる食材は多くありますが食べ過ぎには注意が必要です。生物は胃腸に負担がかかり、脾胃の働きを鈍くする作用があるため、特に梅雨時には適量を摂るように心掛けて食べ過ぎないようにしましょう。

特に、日本では魚を生で食べる習慣がありますので、梅雨時に脾胃をいためやすく、体のだるさやむくみなどを感じやすくなってしまいがちです。

要はバランス。摂りすぎないことを心がけましょう

冷たいもの、甘いもの、生もの、毎日の食生活で身近にあるものばかりですが、どれも食べ過ぎなければ全く問題ありません。過剰に食べてしまうことで体に負担を与えてしまううえ、陰陽のバランスも乱れてしまいますので、適度に食べるということを意識しましょう。

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