2022年04月14日   2022年05月26日

たまに聞く機会がある「抗酸化」や「抗酸化作用」という言葉。

なんとなく体に悪いものを良くするのかな……というイメージはありますが、実際にどのような働きなのかについて説明するのは難しいですよね。

今回は、エイジングケアや美容の話題でよく耳にする「抗酸化」「抗酸化作用」「活性酸素」について簡単にご紹介します。

抗酸化作用って一体なに?

「抗酸化」とは一言でいうと酸化をおさえる作用のことで、「酸化」は単純にいうと酸素によってサビてしまう状態のこと。

身近なものでは、例えば、

  • 食べようと切ったリンゴの断面が茶色くなってしまった
  • 自転車やドアなどがサビて茶色く変色し、固くゴワゴワの状態になり、度合いによっては動きが悪くなり機能しづらくなった

という経験はありませんか?

本当は良いもののはずの「酸素」ですが、増えすぎると酸化の原因となり、私たちの身体でもサビと同じように不具合が生じてしまうのです。そこで、必要になるのが酸化と戦うための抗酸化という作用です。

実は私たちの体内では、常に「抗酸化酵素」がつくられており酸化を抑える(活性酸素を分解する)作用が整っているのですが、加齢と共に抗酸化酵素は減ってしまいます。なので、年齢を重ねるほど、積極的に抗酸化を意識する必要がでてきます。

活性酸素が増えるとどうなるの?

「生命を維持するために必要不可欠なエネルギー」というと、私たちは食事によるカロリーを想像しやすいですが、それ以上に大切なのは呼吸でも取り入れている酸素。

呼吸などで取り込んだ酸素の数%が、活性酸素という、酸化作用がとても強い酸素になると考えられています。

活性酸素は殺菌、抗ウイルス作用が強く良い作用があるのですが、増えすぎてしまうと正常な細胞を傷つけてしまい、「酸化ストレス」と呼ばれる状態を引き起こします。そして、活性酸素による酸化ストレスは生活習慣病やシミしわといった美容に関わる肌の老化などの原因になります。

そのため、美白にはUVケアや日焼け止めなどの外側から行うアウタービューティーだけでなく、体の内側からのケアであるインナービューティーも必要と言えるでしょう。

活性酸素を減らす「抗酸化習慣」

それでは、どのようにすれば活性酸素を増やさずに美しさや若々しさを保つことができるのでしょうか。

身体の抗酸化を目指すには、ちょっとした毎日の生活習慣の見直しをして、抗酸化を意識した生活習慣でインナービューティーケアを行いましょう。

軽い運動をする

運動不足が続いてしまうと、活性酸素を分解する役割がある抗酸化酵素の働きが低下して、活性酸素が多く発生します。活性酸素を増やさないためには適度な軽い運動が必要不可欠。ただし、呼吸数が増えてしまう過度な運動は活性酸素の発生が増えてしまい逆効果のため、ウォーキングやストレッチなど無理のない程度で軽めの運動を意識しましょう。

ストレスをためない

ストレスで体の機能が滞ってしまうことでも活性酸素は増えやすくなります。ただ、毎日の生活でどうしてもストレスは溜まってしまうもの。ゆったりした気持ちで活動するように心がけると同時に、ストレス解消方法を見つけておくことが大切です。体の機能を良くする血流アップのためにも、軽い運動がおすすめです。

紫外線を避ける

適度な日光浴はビタミンDの合成に役立ちますが、同時に活性酸素も発生しやすくなります。しみやソバカス、シワ、くすみ、たるみといったエイジングのお悩みが気になる方は特に要注意。

また、活性酸素のほかにも紫外線A波は「光老化」の原因となります。日差しの強い初夏から夏だけではなく、冬なども年中安定して降り注ぐのが紫外線A波の特徴です。

紫外線量がアップする10時から14時頃は外出を避ける、日焼け止めを塗る、帽子や長袖を着用するなどして紫外線ケアを行いましょう。紫外線を浴びてしまった場合は、保湿をたっぷりと行うようにしてください。

アルコールを摂り過ぎない

大量にアルコールを摂取すると身体に負担がかかる上に、特に肝臓でのアルコール分解では活性酸素が発生しやすくなります。もちろん、食事の際に軽く1杯程度など適度に飲む分にはストレス解消にもつながりますが、肝臓への負担を少なくするためにも、2日酔いになるほどの飲みすぎには注意するようにしましょう。

タバコを控える

タバコも活性酸素の発生が過剰になりやすい嗜好品のひとつ。また、肺への負担もありCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など肺の病気の原因になることで知られています。

タバコは酸素を吸って二酸化炭素を吐くという正しい呼吸リズムの妨げになりやすいので注意が必要です。活性酸素以外でも、健康面で問題が起きやすいタバコはできるだけ控えるようにしましょう。

添加物の摂取を避ける

添加物の多い加工食品などの摂りすぎにも注意しましょう。具体的には、手軽に食べることができる食品は保存料が多く使用されていることが多いので食べすぎには要注意。古い油も抗酸化には大敵です。スーパーなどでお惣菜を買う時や外食時などでは、新鮮な油を使っているかをチェックしましょう。

抗酸化作用のある食品を摂取する

活性酸素と戦う、抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂ることも大切です。体内に備わっている抗酸化酵素の働きは年々鈍くなってしまいますので、毎日の食事で継続的に摂ることで補うことが必要です。

詳しくは次の項目で記載しますが、ビタミンCやE、ポリフェノールなどが含まれている食品は抗酸化作用が強く、おすすめです。また、お茶やハーブティーなど飲み物でも手軽に「抗酸化習慣」ができます。

抗酸化作用の強い食品

それでは、ここからは抗酸化作用の強い食べ物をご紹介します。普段何気なく食べているものも含まれていると思いますので、改めて抗酸化作用があることを意識して毎日の食事を見直してみてくださいね。

ビタミン類

ビタミンは、通称ビタミンACE(エース)と呼ばれる、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEの3つが抗酸化作用の強い食品として知られています。それぞれのビタミンが多く含まれる食材は以下となっています。

ビタミンA

緑黄色野菜にはビタミンA(βカロチン)が多く含まれています

  • モロヘイヤ
  • にんじん
  • かぼちゃ

ビタミンC

柑橘系の果物に多く含まれています

  • 柑橘系のフルーツ(オレンジ・レモンなど)
  • キウイ
  • イチゴ

ビタミンE

ひまわりやコーンなど植物性のオイルに多く含まれています

  • アーモンド
  • かぼちゃ
  • 植物性オイル

ポリフェノール

抗酸化といえばポリフェノールと言っても過言ではありませんが、実はひとことでは説明しきれないほど種類が豊富で、様々な食材に含まれています。

なかには、赤ワインやブルーベリーなどのアルコールやフルーツ類、緑茶などの飲み物など楽しみながら摂ることができるものも多くありますよ。

アントシアニン

青い色素のもとで目に良いことで有名

  • ブルーベリー
  • ブドウ
  • 紫芋
  • 黒人参

レスベラトール

美容にも良いので女性に嬉しいポリフェノール

  • 赤ワイン
  • ブドウの果皮

クルクミン

肝臓への働きで知られているウコンに入っています

  • ターメリック(秋ウコン)
  • カレー

カテキン

お茶の苦味成分として知られています

  • 緑茶

いつもの食べ物にちょっとの工夫で抗酸化を目指す!

運動を積極的にして、アルコールを控えて、ストレス解消をして……と盛り沢山な酸化対策ですが、一番お手軽で簡単な方法は食生活を見直すこと。

いつもより一品野菜や果物を増やしてみる、緑茶を飲む、適度にお酒を飲むなど、実は案外すぐに実行できることが沢山あります。

年々気になる酸化ですが、毎日少しの工夫で健康的に、美白や美肌を一緒に目指してみませんか?

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