2026年10月15日

「昔と同じ生活なのに太りやすくなった」「体重は同じなのに体型が変わった」「運動しても以前のように結果が出ない」。40代を迎えた頃から、こんな変化を感じる女性は少なくありません。

今回お話を伺ったのは、パーソナルトレーナーとして活動する鈴木まりこ先生。指導歴17年、20代〜70代まで幅広い女性を指導し、なかでも40〜50代のお客様が多いといいます。以前には、ウルモリフトのイベントで講師も務めてくださいました。

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自身も今年40歳を迎えたまりこ先生に、40代からの身体づくりで大切にしたい考え方を聞きました。

鈴木まりこ先生プロフィール

フリーランスのパーソナルトレーナー。表参道・代々木上原を拠点に、ウェイトトレーニング、ヨガ、ピラティス、筋膜リリース、食事指導を、お客様の目的に合わせて提供している。ヨガインストラクターとして9年間活動したのち、30代で冷え性や疲れやすさ、筋肉のハリのなさを感じたことをきっかけに、ウェイトトレーニングと食事指導を取り入れてパーソナルトレーナーへ。今年40歳、指導歴17年。対面のレッスンを続けながら、40〜50代の健康と美容についてSNSでも情報発信している。モデルや芸能人をはじめ、忙しく活躍する女性から支持を集め、現在、体験レッスンは1年待ちの人気トレーナー。

Instagram (@ rico.fitspo615)

人生を楽しめる体づくりを目指し、目標は具体的に

――まりこ先生がトレーナーとしてお客さんと接する際に大切にしていることは何ですか?

お客様の『日々のパフォーマンスが上がること』とお客様が『やりたいことを体を理由にあきらめなくていいようにすること』です。

仕事、育児、介護、趣味、日々の楽しみ。何のために体づくりをしたいのかを把握したうえで、体重や見た目だけでなく、人生を楽しめる体づくりを大切にしています

たとえば、仕事を頑張りたい方には、頑張れる体づくりを。旅行に行きたかったのに体力がなくて行けなかった経験のある方には、旅行を楽しめる体づくりを。『ずっと元気でいたい』という漠然とした目標だと、ぼんやりしてしまうので、『この日の撮影に向けて』のように具体的な目標に対して、サポートしていけるように取り組んでいます。

おとな女性に多い悩みは、全身のボディラインと「疲れやすさ」

――まりこ先生のところに通っている方は40〜50代の女性が多いということですが、どんな悩みをよく聞きますか?

40〜50代は、何かしら不調があるのが普通の年代です。そのなかで特に多いのが、全身のボディラインの悩み。お腹が出てきた、二の腕がたるんだ、胸やお尻が垂れた、背中が丸くなった、脚が太くなった……。不意に撮られた写真で丸まった自分の背中を見てショックを受けたり、家族や友人に体のことを指摘されたという方がとても多いです。

――結構お子さんの指摘が…という話も多いようですが、実際どうなんでしょう?

最近のお子さんは、ママのボディラインにかなり厳しいんです。

でも、現在だけの話ではなくて、『将来子どもに迷惑をかけたくない』と、“筋肉貯金”に励んでいる方もいらっしゃいます。ほかにも『朝起きられない』『推しのライブに行ったのに、疲れて楽しめなかった』といった疲れやすさや、関節の痛み、『痩せて老けて見えるのはイヤ』『太って洋服が似合わなくなった』という声も聞きます

年に約1%落ちると言われる筋肉。変えるべきは老化への自覚と自分に関心を持つこと

――40代を過ぎると、急に体型が変わるのはなぜでしょう?

筋肉量の低下と、体脂肪率の増加だと思います。個人差はもちろんあるものの運動不足の状態だと、筋肉は年に約1%落ちると言われています

特に更年期の世代は、女性ホルモンの低下が、筋肉だけではなく、骨・代謝にも影響してきます。体脂肪がつきやすく、筋肉が落ちやすく、肌もたるみやすい時期なんです

――若い頃と同じ食事・運動では変わらなくなったとき、何を変えるべきですか?

まず、40代以降は、体が老化していることを自覚するのが大切です。アスリートの世界では、パワーやスピードのピークは平均26歳と言われています。若い頃と同じようにいかないのは当然です。

不調があれば放置せず、病院や、今ならAIにも相談しながら、将来の自分のために何が必要かを問いかけてみてください。人生で何をしたいか、どうなりたくないかを決めれば、必要なことが見えてきます。変化を自覚して、将来を見据えて目標を立てることが大切です。

また、不調が出た際は、前日に何をしたか、何を食べたか、どんな姿勢が続いていたか。そうやって振り返って、自分自身に関心を持つことも大事だと思います。

――逆に、おとな女性がやりすぎない方が良いトレーニングや食事法はありますか?

個人的な意見ですが、重すぎるウェイトや長時間のマラソンで、椎間板や関節に負荷をかけすぎないこと。過度な食事制限や、長期のファスティングもおすすめしません。胃腸を休めるために食べない、というのはいいと思いますが、ただ、食べないというダイエットは、体重は落ちても、筋肉量も落ちてしまうし、理想的なボディラインにならないことが多いので、どう進めるかをしっかり検討することが大切です。

筋肉は、見た目だけでなく健康を守るもの

――40〜50代の女性にとって、筋肉をつけることはなぜ大切なのですか?

筋トレをすると『マイオカイン』というホルモンのような物質が分泌され、糖や脂質の代謝、炎症反応、肌や血管にもよい影響があると報告されています。筋肉は、運動機能や見た目の面はもちろんですが、健康を守る意味でも大切なんです。

さらにメンタル面でも有効だと考えています。
医学的にもセロトニンやエンドルフィンなどの脳内物質の分泌や神経細胞の成長、修復など色々なところで言われてますが、運動を取り入れることで、気分にもいい変化を感じている方が多い印象です。

仕事や育児で忙しくて、頭痛や気分の落ち込みがあった方が、トレーニングの帰りにはすっきり元気になっている。そんな場面を何度も見てきました。

何歳からでも、筋肉は刺激すれば育ちますし、増えます。だから、あきらめずに少しずつでも良いのでチャレンジしてほしいですね!

【前編はここまで】


前編では、まりこ先生がトレーナーになったきっかけや、おとな女性の身体に起こる変化、筋肉をつけることの大切さを伺いました。

後編では、「何から始めればいいの?」という疑問にお答えします。柔軟性とインナーマッスルの整え方、週1回・5分からの始め方、食事と「温める」習慣、そして続けるコツまで、身体の土台づくりの実践編をお届けします。