スーパーでもよく見かけるようになったアルファルファはその見た目からは想像もつかないくらい、実は栄養の宝庫です。さまざまな健康効果がありますが、まだよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
アルファルファは手軽に取り入れることができ、しかも大幅に栄養バランスをアップすることができるので、ぜひもっと取り入れて貰いたい食材です。今回は野菜の王様とも呼ばれるアルファルファの特徴や取り入れ方をご紹介します。
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アルファルファとは?
アルファルファはひょろひょろっとした見た目が特徴的な、スプラウトに属する植物です。マメ科ウマゴヤシ属の多年草で、日本では「ムラサキウマコヤシ」「糸もやし」とも呼ばれています。主に牧草として使われてきた歴史があります。
もやしやかいわれと同じスプラウトの一種で日本では野菜のイメージが強いですが、葉っぱを乾燥させたものはハーブティーとしても活用されています。
アルファルファってどんな味と香り?
アルファルファは豆独特の甘みを感じる味があり、柔らかい食感が特徴です。
糸のように細く、もやしほど硬くないので生のままで食べることもできます。
成長した葉っぱには緑茶っぽい風味があり、独特の草らしい香りがありますが食べるときにはほとんど気になりません。
アルファルファに含まれる栄養とは?
アルファルファは頼りない見た目とは裏腹に、とても豊富な栄養が含まれていることが特徴です。含まれている栄養素の種類の多さは他の野菜やハーブと比べても圧倒的な違いがあります。
食物繊維、タンパク質、ビタミンA(βカロテン)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6 、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、モリブデン
など豊富に栄養を含んでいるため「野菜の王様」とも呼ばれています。また、その量の多さにも特徴があり、大豆より必須アミノ酸の含有量が多い、うなぎやレバー以上のビタミンAなど、小さな見た目からは想像がつかないほど栄養が豊富に詰まっています。
アルファルファに期待できる効果・効能とは?
アルファルファは優れた栄養バランス、豊富な栄養を含んでいることから、その効果・効能にも注目が集まっています。とくに次のような効果があると言われています。
- 疲労回復
- むくみ解消・デトックス
- 消化促進
- 血行促進
- 便秘解消
- 骨粗しょう症予防
- 生活習慣病の予防(コレステロール値改善など)
アルファルファにはカリウムなど豊富なミネラルが含まれているため、体内の水分を調整してむくみを改善、利尿を促す効果があるとされています。デトックス食材としてもアルファルファはおすすめです。
また、豊富な食物繊維や葉緑素の作用により、コレステロールの排泄を促す効果やデトックス効果、便通を改善する効果にも優れています。体に必要な栄養を効率よく摂取できるので、疲労回復にもぴったりの食材です。
アルファルファと、もやし・スプラウトの違いって?
アルファルファと似た野菜で日本ではスーパーでよく見かけるものとしては、もやし、かいわれ大根、ブロッコリースプラウトなどがあります。いずれもスプラウトの仲間であり、スプラウトとは植物の新芽のことです。
ダイコンの発芽直後のものをかいわれ大根、ブロッコリースプラウトはブロッコリーの新芽です。似た見た目ではありますが、それぞれ大きく成長していくために必要な栄養が詰まっている栄養豊富な野菜という点は共通しています。
アルファルファの食べ方・飲み方とは?
アルファルファを買ってきても、サラダのトッピングにしか使わないので余らせてしまった、という経験がある方は多いのではないでしょうか?アルファルファは生でサラダのように食べる以外にもさまざまな方法で活用することができます。
食用として食べる
最も日本でポピュラーなアルファルファの活用法で、主にサラダの上に乗せたり、サンドイッチの具に使ったりして食べられています。買ってきたら水で洗ってよく水を切り、お好きなものに加えれば火を使わないで簡単に食べられます。
生野菜として食べることが多いかもしれませんが、次のようなアレンジも楽しめます。
- お味噌汁やスープなどに最後に加える
- 炒め物や煮物のトッピングに使う
- コロッケや肉巻きの具に使う
- 卵と一緒に炒める
- ごま和えなど和え物にする
以上のような楽しみ方もできるので、幅広く色々な料理に活用してみましょう。
ハーブティーとして飲む
アルファルファはハーブティーとして取り入れると、その栄養を飲むだけで簡単に摂取できるのでおすすめです。ハーブティーで用いるのはアルファルファの葉っぱの部分です。地中海にほど近い西アジアが原産で、海外では何世紀にも渡ってハーブティーとして利用されてきた歴史があります。
アルファルファのハーブティーは黄金色の透き通った色をしており、すっきりとした甘みと緑茶のような風味が特徴です。酸味や苦味は少なく、好みを問わず飲みやすく、他のハーブを加えてミックスしてもバランスがいいハーブです。生の野菜として購入するよりもハーブティーは長期保管できることも魅力です。
アルファルファの食べ過ぎは危険?毒性と注意点
健康に良い栄養がたっぷり詰まったアルファルファですが、食べすぎは逆に体に負担になることがあるため注意が必要です。
どんな植物でも食べ過ぎれば毒になることはありますが、とくに新芽であるスプラウトには植物独自の成分が豊富に含まれます。
アルファルファにもステロイドアルカロイドやアミノ酸の一種であるカナバニン、植物性エストロゲンなどが含まれており、過剰摂取によりヒトに毒性をもたらす可能性があります。とくに次のような場合には摂り過ぎないよう注意しましょう。
- 妊娠中、授乳中
- 自己免疫疾患がある方
- 心臓など循環器系や腎臓の疾患を抱えている方
実は簡単に育てられる! アルファルファの栽培方法
アルファルファは自宅でも簡単に育てることができます。スプラウト系の中でも初心者でも育てやすいと言われているので、試してみてはいかがでしょうか?
4月から11月頃まで栽培できる
アルファルファの栽培時期はスプラウトの中でも長めで、4月から11月頃まで栽培ができます。とくに屋外に出す必要もなく、室内で栽培できることも魅力です。しかも、種を撒いてから5〜7日程度ですぐに育って食べられるようになります。
アルファルファの栽培方法
<用意するもの>
- アルファルファの種
- ガラス瓶
- ガーゼ
- すのこ(あればでOK)
- 輪ゴム
- 紙袋
- 水300mlに対してアルファルファの種を小さじ1杯程度入れ、種を浸水させる。
- くるくると混ぜて、しばらく静置して浮いてきた種を取り除く。
- ガーゼをビンの口に被せて、輪ゴムで止める。
- 8時間くらい暗所で放置する。その際、密閉しないよう紙袋を瓶に被せておくと良い。
- カーゼをつけたまま水を切り、逆さのままで放置する。朝と晩に2回ほど水ですすぐ。
- 数日経つと発芽する。水の交換を続けながら、1週間ほど育てる。
水をこまめに取り換えないと腐ってしまうことがあるため、朝晩2回は水を通して清潔に育てることがポイントです。種の皮がついていますが、何回か水洗いすれば簡単に取れます。とても簡単なのでぜひ種を探して育ててみてください。
アルファルファでヘルシーな毎日を
アルファルファは思っていた以上に非常に栄養が豊富であることが分かっていただけたのではないでしょうか。生のまま食べても美味しく、またハーブティーとして取り入れれば飲むだけで簡単に健康管理に役立てることができます。
摂り過ぎにだけ気をつければ、栄養を効率よく摂取できる強い味方です。栄養バランスが気になる方や、ヘルシーな食生活を目指したいという方は、ぜひアルファルファをもっと毎日に取り入れてみてはいかがでしょうか。
薬剤師
大学院卒業後、国内外の製薬会社や調剤薬局にて薬の企画開発・マーケティングからDI業務(医薬品情報業務)など、幅広く薬に関わりながら、サプリメント・ハーブやオーガニックコスメの販売業務を行う。
現在は、今までの経験を生かし、薬剤師として勤務する傍ら、正しい薬の使い方をはじめ、生活習慣や食習慣の改善を提案をする薬剤師ライターとしても活動中。