2020年04月17日   2022年08月26日

健康と美容に良い習慣として人気の青汁。「なんとなく体に良さそうだから」という理由が飲んでいる方も多いのではないかと思います。

実際のところ、青汁にはどんな効果・効能があるのでしょうか?

青汁とは

青汁とは、生の緑黄色野菜のみを絞った絞り汁のことで、栄養摂取量が足りない方向けの栄養サポートとして日本で発祥し、古くから親しまれてきました。

一般的に果物の使用はせず、多くの青汁でケールを使用されているため、苦味が強い印象です。しかし、大麦若葉のような苦味を緩和する野菜を取り入れることで、昨今の青汁は飲みやすくなっています。

豊富な種類の緑黄色野菜を青汁にすることで、効率的に多くの栄養を摂取できるため、健康に良いとされており、加熱をせずに野菜の汁を絞り出すため、栄養素を損なうことなく効果的に摂取できるのが青汁の特徴です。

グリーンスムージーの違いとは?

グリーンスムージとは、アメリカで発祥した冷凍させた野菜や果物をミキサーで混ぜ合わせた飲料で、甘味を出すことで飲みやすくしたと言われています。

グリーンスムージーには、バナナ、オレンジ、りんご、いちごなど、簡単に手に入る果物が使用できるため、簡単に全体の味をマイルドにすることができます。

また、ドロドロ感を出すことで満腹感を得ることも出来るため、ダイエット中の置き換えジュースとしてもよく使われていすが、冷凍させてたものを使用するため、体を冷やしやすくする傾向があります。

青汁ってたくさんあるけど、どうやって選んだらいいの?

一言で青汁と言っても、ドラッグストアの陳列棚にぎっしり埋まるほど、非常に多くの種類がありますよね。その中から、どんな基準で選ぶのが正解なのか知っておくことも大切です。

そこで、今回は病気や日常生活における健康維持に欠かせない知識が豊富な薬剤師、笹尾さんに、みなさんが気になっている青汁に関する疑問に答えてもらいました。

薬剤師 笹尾さんに聞きました!

青汁の効果・効能について教えてください。

青汁をなんとなく飲んでいるという方や、「〇〇」に効く!と信じて続けている方もいます。正しく青汁を活用していただくため、まずは青汁の効能効果について教えていただきます。

Q:ダイエット効果は本当にありますか?どのくらい飲めば良いのでしょう?


A:青汁を飲むだけで簡単に痩せるということは難しいですが、ダイエットのサポートに活用することはできますね。

青汁には食物繊維が豊富に含まれているので、腸内環境を改善して栄養吸収が整うことで代謝効率も良くなります。お腹ぽっこりを解消する効果も期待できるでしょう。

飲むタイミングは、食前や食間がおすすめです。食前に飲むことで満足感が得られやすく、食事の量をコントロールしやすくなるというメリットもあります。また、おやつを食べる代わりに飲むとカロリーダウンにもなるでしょう。

新陳代謝が上がりやすい午前中からお昼までの摂取がおすすめですが、ダイエットは長期戦のほうが失敗が少ないので続けることが大事ではないでしょうか。

美容効果について

Q: 腸内環境を整える効果はありますか?

A: 腸内環境を整えるのに役立つ食物繊維が豊富に含まれているので、インナーケアにはおすすめです。食物繊維は不要な老廃物を排泄するよう促したり、水分を含むことにより便のかさを増やす役目があります。

青汁を飲むことによって腸内環境が整い、お通じが良くなると感じられる方もいますが、個人差はあります。腸内環境を整えるには青汁を続けることも大切です。まずは最低でも2週間、できれば1ヶ月は続けて欲しいですね。

なお、食物繊維と一緒に善玉菌の養分となるオリゴ糖や乳酸菌を一緒に摂ると整腸作用をサポートしてくれますよ。同時に配合されているタイプの青汁もおすすめです。

Q: アンチエイジングに良いって本当ですか?

A: 青汁に含まれているケールや大麦若葉、クロレラ、モロヘイヤなどの素材には豊富なビタミン・ミネラルの他、ポリフェノールが含まれています。

健康な身体、美しさを保つために欠かせない栄養素をバランスよく、手軽に補うことができます。ビタミンA・C・Eは皮膚のターンオーバーや粘膜を強くする作用、血行を良くする作用などがあるので、エイジングにも欠かせない栄養素です。

また、ポリフェノールは抗酸化作用によるエイジングケア作用もあるので、若々しさを維持したい方は積極的に取り入れたい成分です。

これらの栄養素は互いに助け合って働くので、同時にさまざまな栄養を補うことができる青汁は、エイジングケアにおいて優れた食品と言えるでしょう。

青汁の選び方、飲むタイミング

Q: 栄養成分表示の何をチェックすれば良いですか?

A: 青汁を選ぶとき、口コミや宣伝、パッケージから選んでしまう方も多いのですが、身体のために摂るものですから栄養成分表示のラベルをチェックしていただきたいところです。

栄養成分表示は含有量が多い原料から順番に記載されています。「先頭に記載されている原料は何か、その次は何か?」というように多く含まれている原料をチェックします。

糖質や耳慣れないカタカナの名前の成分などが多い場合は、大事な栄養が少ない可能性があります。メインとなる成分が先頭の方にあるものを選びたいですね。

また、野菜や野草などの原料の他に、特定の機能を持った成分が追加されている商品もあります。たとえば、コレステロールの吸収を抑える「キトサン」などです。自分にとって本当に必要な成分なのかどうか見極めることも大切です。

Q: 合成甘味料は入っていると良くないのでしょうか?

A: 結論から言うと、人工甘味料が入っていない青汁の方が身体への負担は少ないでしょう。諸説ありますが、人工甘味料は味覚や神経などに対しての悪影響がさまざまな研究報告から指摘されています。

ほとんどの青汁は美味しく飲みやすいように、甘みがプラスされています。その甘みのモトが何であるかチェックすることが大切です。

青汁の甘みの成分は、人工甘味料と自然由来の糖質に分けることができます。アセスルファムK、スクラロース、アスパルテームなどは人工甘味料です。

「糖質オフ」「カロリーオフ」と書いてあっても、糖質が微量入っていることがあるので要注意。選ぶならば、黒糖、きび粗糖、ココナッツシュガーなど自然由来の糖を使ったタイプがおすすめです。

Q: 他にチェックすべき成分・原料はありますか?

A: パウダータイプの青汁には少ないですが、液体タイプの青汁では保存料や酸味料などの添加物が入っていることがあります。なるべく素材をフリーズドライして粉末化したようなシンプルな加工で作られた青汁の方がナチュラルですね。

また、デキストリンや風味を良くするためのバナナ、りんごなどフルーツ由来のパウダーが添加されている場合も多いですが、栄養を補う青汁の成分としての役目は少ないと言えます。

できれば普段の食事で補いづらい素材を中心に配合しているものがおすすめです。原料の産地や製造工場なども確認しておきたいポイントです。安全性や衛生面の観点からも国産原料を使ったものが安心です。

しっかりと原材料の産地まで示していれば信頼できるブランドの証とも言えます。

青汁で野菜不足解消!?

Q: 青汁で野菜不足を解消することはできるのでしょうか?

A: 「健康日本21」では、野菜は1日に350g以上とることを目標に掲げています。しかし、心がけていたとしても多くの方が充足できずに野菜不足に陥っていることが多いのです。

そんな現代人にとっては青汁は野菜不足におけるビタミン、ミネラルなどの補給に役立つので、「忙しくて野菜が十分に摂取できないとき」「栄養バランスが乱れがちなとき」の手軽な栄養補給におすすめです。

とくに青汁は鉄分やカルシウム、食物繊維が豊富なものが多く、ビタミンA(カロテン含む)・B・C・Eにも富んでいます。

これら野菜で普段補っている栄養を、青汁は飲むだけで緑黄色野菜に豊富に含まれる栄養や食事から補給しづらい特定の健康成分を、簡単に補うことができるところがメリットです。

ただし、青汁だけで野菜を食べた時と全く同じ成分を摂ることができるとは限らず、たとえばタンパク質、脂質などは不足しています。

また、加工により生の野菜に含まれる野菜と全く同じ成分が含まれているわけではないため、食事からもしっかり野菜を摂ることが大切ですよ。

青汁の効能効果を正しく理解して、効果的に青汁を取り入れよう!

今回は青汁の効能効果と選び方について、気になる疑問を中心に薬剤師 笹尾さんに答えてもらいました。疑問は解消されたでしょうか?

青汁は必ずしも飲めば簡単に健康が手に入るというものではありませんが、乱れがちな食生活を整えて健やかな毎日を送る手助けをしてくれる健康食品です。

できる限りふだんの食生活で野菜不足を解消することを意識しつつも、青汁を有効活用して理想的な栄養バランスを目指していきましょう。

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