「ハイビスカスティーは健康によい?」
「ハイビスカスティーを飲むときに意識すべき点は?」
この記事では、真っ赤な色と酸味が特徴的なハイビスカスティーの効能や飲み方についてまとめました。
健康を維持するためや美容目的でハイビスカスティーを楽しみたい方は、ぜひご参考ください。
ハイビスカスティーについて
ハイビスカスティーのハイビスカスは、実は一般的にイメージされる南国の花ではなく、ハイビスカスローゼルという植物を原材料としています。
原産地はインド、マレーシア、西アフリカと言われており、今では世界各地で栽培されており、日本では沖縄での栽培が有名です。
ここでは、ハイビスカスティーに使用されるハイビスカスローゼルについてや、味などの特徴を知っていきましょう。
ハイビスカスティーとは
ハイビスカスティーとは、熱帯地方に分布するローゼル(学名: Hibiscus sabdariffa)というハイビスカスの一種の萼(がく)部分を抽出したハーブティーの一種です。
世界各地で飲まれており、
- アフリカ大陸:ローゼルの原産地と言われ一般的に流通している
- アメリカ大陸:アグア・デ・フロール・デ・ハマイカやアグア・デ・ハマイカなど、地域によってさまざまな呼び方がある
- 東南アジア:グラジャブという呼び方で、濃厚で甘い冷たい飲み物として飲んでいる
- ヨーロッパ:カルカデという呼び方で、砂糖やレモン果汁を加える
というように、地域によって楽しみ方や呼び方が変わり、世界中で愛されています。
飲料用には「ローゼル」が多く使われる
ハイビスカスローゼルはハイビスカスと同系統の植物であり、場合によってはハイビスカスの1種としても数えられます。
ハイビスカスティーに使われるのは、南国に咲くハイビスカス(ブッソウゲ)のような花ではなく、ローゼルです。
ただし、商品によってはハイビスカスローゼルと区別せず、”ハイビスカス”として原材料を表記する場合があるため、南国を象徴するハイビスカスで作ったお茶と勘違いされる方も多いのです。
抽出された成分は紅色やマゼンタのような色味であり、クランベリーのような酸味があります。
ハイビスカスティーの栄養
ハイビスカスティーは一般的な飲みものとして楽しまれる一方で、ハイビスカスに含まれる豊富な栄養素から、健康や美容目的で飲まれることも多々あります。
古くはあの世界三大美女であるエジプトの「クレオパトラが愛したハーブティー」とも言われています。
そんなハイビスカスティーに含まれる主な栄養について調べてみました。
ポリフェノール
ハイビスカスティーはハイビスカスローゼルという植物を原材料としているため、植物に多く含まれるポリフェノールを摂取できます。
ポリフェノールには抗酸化作用があると言われており、体内の酸化を防ぐことでさまざまな病気を予防できるとされています。
一般的にポリフェノールを摂取することにより、以下の病気の予防効果があると言われています。
- 動脈硬化:血管でコレステロールが酸化するのを防ぐ
- 糖尿病:糖質を取り込んだときに消費するインスリンの働きを助け、腸内での糖質の過剰摂取を防ぐため、血糖値が急激に上昇しない
- 肥満、メタボリックシンドローム:脂肪の燃焼を促すため、カロリー消費量がアップ
- 美容作用:メラミンの生成を抑え、紫外線によるお肌のしみやそばかすの原因になる活性酵素を抑えてくれる
健康面だけでなく、紫外線による肌のしみやそばかすを防ぐといった美容面での効果も期待できそうです。
クレオパトラがハイビスカスティーを愛飲していたというのも納得ですね!
参照:e-ヘルスネット 抗酸化物質、花王 ポリフェノールの健康価値
ビタミンC
ハイビスカスティーには、体内で生成できないビタミンC(アスコルビン酸)が多く含まれています。
ビタミンCの主な効果としては、以下のようなものがあります。
- コラーゲンの生成に必要な化合物となってくれる
- 毛細血管や歯、軟骨などを正常に保つ働き
- 皮膚のメラニン色素の生成を抑制
- ストレスや風邪などの病気への抵抗力アップ
- 抗酸化作用
美肌効果の高いポリフェノールと合わせてビタミンCも含まれていることから、ハイビスカスティーはしみやシワ、ニキビや肌荒れに効果的な抗酸化作用の効果が高いといえるでしょう。
参照:e-ヘルスネット ビタミン、厚生労働省eJIM ビタミンC、USDA米国農務省
ビタミンCと熱の関係
「ビタミンCは熱に弱い」「すぐ消失してしまう」といった情報が一般的ですが、昨今の研究では「長時間高温に晒さないとあまり消失されない」というデータが出ています。
(参照:L-アスコルビン酸の安定性に及ぼす加熱の温度と時間の影響)
クエン酸
クエン酸は酸味成分になる栄養素であり、ハイビスカスティーの酸味もクエン酸が豊富に含まれている点からきています。
クエン酸の主な効果としては、
- クエン酸回路において、糖を代謝してエネルギーの産生を行う
- 酸味による食欲の増進
- 筋肉部位の乳酸の濃度を低くする
- マグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分を効率よく吸収する
など、疲れへの効果が高いのが特徴的ですね。
参照:大正製薬
ハイビスカスと月桃を黒人参にブレンドした「natoha 黒人参茶 ビューティー」が、前田敦子さんのおすすめとして雑誌でも紹介されました。
そのほか含まれる栄養素
ハイビスカスティーに含まれているそのほかの栄養素としては、
- カルシウム:歯や骨の形成、神経興奮性の抑制
- マグネシウム:リンやカルシウムとともに骨の形成、体内の代謝補助
- 鉄:貧血の抑制
- ビタミンA:眼や皮膚の粘膜を健康に保つ
- ナイアシン(ビタミンB3):エネルギー産生、代謝、アルコールの代謝など
- カリウム:体内の浸透圧を調節、神経興奮の抑制
- ハイビスカス酸:新陳代謝の向上で古い細胞を新しくする、コレステロール値の低下
- リンゴ酸:炎症の浄化
などがあり、複数の栄養素から効果が期待できます。
参照:e-ヘルスネット ミネラル、厚生労働省eJIM ビタミンA、厚生労働省 ナイアシン、化粧品成分オンライン リンゴ酸、わかさの秘密
ハイビスカスティーの効能
ハイビスカスティーは複数の栄養素の働きから、健康や美容に対してさまざまな効能が期待できます。
ハイビスカスティーの主な効能について、確認していきましょう。
1.抗酸化作用による美肌&エイジングケア効果
ハイビスカスティーに含まれる栄養素のうち、ポリフェノールに抗酸化作用があることから、美肌やエイジングケア効果が期待できます。
年齢肌が気になる女性には、とてもうれしい効能ですね。
肌の細胞膜にはリン脂質というものが含まれており、気温・気候の変化などの外的要因から肌内部にある細胞を守ってくれている、壁のような存在です。
このリン脂質が酸化してしまうと、過酸化脂質という肌の炎症などの要因になってしまいます。
さらには、体内においても
- 細胞が弱り病気発症の確率が高くなる
- 細胞の劣化や病気の進行から老化が進む
ため、美容を意識するうえではこの現象を防ぎたいですよね。
抗酸化作用は、細胞の劣化によって病気や老化が進むと言われている『過酸化脂質』の発生を防ぐ効果があります。
これにより、お肌の状態を美しく保つことができ、身体と肌の老化を防止できるため、女性にはとてもありがたい効能ですね。
2.利尿効果でむくみの解消につながる
身体のむくみは、体内の水分量が多いときや、自律神経の乱れが発生しているときに起こります。
ハイビスカスティーに含まれる栄養素のうち、
- カリウム:塩分量の調整=利尿を促し余分な水分を排出
- カルシウム:自律神経の乱れを改善する
といった効能があるため、むくみの解消につながります。
「夕方になると足が重たい…」と感じる女性には、特におすすめです。
3.新陳代謝を高めて疲労を回復する
ハイビスカスティーに含まれる栄養素のうち、
- クエン酸:糖の代謝補助、乳酸の濃度を低くする
- マグネシウム:さまざまな代謝を補助する
といった効果があるため、新陳代謝を高めると同時に、疲労回復が期待できます。
乳酸とは
激しい運動をした後などは、筋肉に乳酸がたまるといわれています。通常、乳酸はエネルギーとして再利用されますが、生成量が多いと体内に蓄積してしまいます。蓄積された乳酸は、(活性酵素による)細胞の酸化や、疲れの要因にもなります。
クエン酸の働きにより乳酸の濃度が低くなるため、貯まった乳酸も再利用しやすくなります。
そのため、「疲れがたまりやすい」といった方には、ほっと癒されるハイビスカスティーはおすすめです。
4.血糖値の上昇を抑える
ハイビスカスティーに含まれる栄養素のうち、ポリフェノールは血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。
そのため糖尿病や肥満、食べすぎや飲みすぎなどが気になる方におすすめです。
ポリフェノールによる血糖値を下げる仕組み
①食べ物の糖分が肝臓、全身に送られることで血糖値が上昇する
②すい臓からインスリンが分泌される
③インスリンによってブドウ糖が細胞などに取り込まれ消費されることで血糖値が下がる
ハイビスカスティーに副作用はある?注意点は?
ハイビスカスティーはさまざまな栄養素を摂取できますが、栄養素も摂りすぎると身体に悪影響があります。
ハイビスカスティーの副作用や、飲む際の注意点を確認していきましょう。
身体を冷やす作用がある
ハイビスカスティーは、クエン酸やマグネシウムから代謝を補助する過程で、余分な熱を冷まします。
そのため、飲んだ後は身体を冷ます作用が発生します。
夏場は冷たくなって快適ですが、冬場は寒く感じる人もいるため、飲む際はホットで楽しむがおすすめです。
妊婦さんや授乳中の方は飲みすぎに注意
ハイビスカスティーは1日1杯など、通常の飲み方をする分には、特に副作用は発生しません。
しかし、飲み過ぎてしまうと以下のような症状が発生する可能性があります。
- ビタミンC:嘔吐、下痢、食欲不振
- クエン酸:下痢、腹痛、ミネラルと結合してミネラル不足に陥る
- カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類:臓器への悪影響
- カリウム:高カリウム血症による筋収縮の調整不可
- クエン酸及びマグネシウム:身体の冷えすぎ
妊娠中や授乳中の方は、個人差はありますが、ご自身の体調をみながら気をつけて楽しみましょう。
ハイビスカスティーの効果的な飲み方
ハイビスカスティーはひと手間加えて飲むと、健康効果や美味しさをアップできます。
ハイビスカスティーの効果的な飲み方や、アレンジ方法を確認していきましょう。
食後に飲んで血糖値の上昇を抑えるのがおすすめ
ハイビスカスティーのクエン酸による血糖値の上昇を抑える効果は『食べた直後』が最も効果的に機能します。
血糖値の上昇を抑える目的で飲む場合は、食事が終わった後の食後茶として楽しみましょう。
美味しく飲むアレンジ方法
ハイビスカスティーは酸味があるため、「そのままだと飲みにくい」と感じる人もいるでしょう。
酸味が苦手な人は味の改善や、栄養素の組み合わせとして相性がよい以下のアレンジ方法を試してみてください。
はちみつを入れてまろやかに
酸味を薄めて飲みたい場合は、はちみつを入れてまろやかにするのがおすすめです。
お砂糖を入れるよりも、はちみつの方が健康的に甘さを加えられます。
「すっぱいのはちょっと苦手…」といった方は、ぜひはちみつのまろやかさと甘味で飲みやすくしてみてくださいね。
ミントを浮かばせてスッキリと!
ハイビスカスティーはスッキリとした酸味がありますが、さらに爽やかにしたい人はミントを浮かばせるのもおすすめです。
ミントもビタミンCを含んでいて代謝に効果があり、香りからリラックス効果も得られます。
ローズヒップとの相性はバツグン!
ハーブティー同士で組み合わせる場合は、フルーティーな甘酸っぱさがあるローズヒップとの組み合わせがおすすめです。
ローズヒップはビタミンが豊富であり、ハイビスカスティーには含まれないビタミン群を補えます。
“ビタミンCの爆弾”とも言われるローズヒップには、ビタミンCやビタミンEが豊富に含まれていることから、美容効果がさらに高まりそうですね。
茶葉をジャムにして最後まで楽しむのもおすすめ
原材料であるローゼルはジャムとしても使われているため、茶葉をジャムに加工するのもおすすめです。
「お茶みたいに飲み続けるとどうしても飽きてしまう…」なんて方も、砂糖を加えて甘酸っぱいジャムにすればパンやデザートと一緒に楽しめますよ。
少し酸味があるので、朝のパンに塗って食べるとスッキリした味わいになって、とてもおすすめですよ。
まとめ
ハイビスカスティーの効能や飲み方についてまとめました。
【ハイビスカスティーについて】
- ハイビスカスティーの原材料はアフリカ原産のローゼルであり、ハイビスカスの1種に含まれる場合もある
- 紅色やマゼンタのような色味で、すっきりとした酸味がある
- 主な栄養素にはポリフェノールやビタミンC、クエン酸などが含まれている
【お肌・身体への効果】
- アンチエイジング効果が期待できる:紫外線によるしみ、肌荒れなどを防ぐ抗酸化作用など
- ダイエット効果:急な血圧上昇を防ぎ、利尿効果や代謝への効果も期待できる
【注意してほしいこと】
- 代謝を高める過程で余分な熱が冷まされるため、身体を冷やす可能性がある
- 妊婦さんや授乳中の方は飲みすぎに注意する
【ハイビスカスティーの飲み方】
- 血糖値を下げたい方は、食後に飲むのがおすすめ
- 酸味を抑えたい方は、はちみつを入れたり、砂糖を混ぜてジャムにする
- 健康効果をより高めたい方は、ミントやローズヒップを加えてもOK
豊富な栄養素を含んでおり、ほかの材料と組み合わせて、より美味しく健康的に飲めます。
アンチエイジングや糖尿病、代謝アップを目指したい人は、ハイビスカスティーを取り入れてみてくださいね。
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